
野菜,ブログ
パリ滞在では、市場やパン屋さん、レストラン、カフェなど、さまざまな「食」と出会いました。
そして美術館を訪れたとき、もう一つの「食」と出会いました。
それは、絵画の中に描かれた食べ物です。

フランスを旅していると、美術館で「食」が描かれた作品に数多く出会います。
その中でも心に残ったのが、ルノワールの代表作《舟遊びをする人々の昼食》です。
この作品には、テラスで昼食を楽しむ人々の穏やかな時間が描かれています。
テーブルにはワインや果物、パンなどが並び、人々は思い思いに会話を楽しんでいます。
笑顔で話す人、静かに耳を傾ける人、グラスを手にする人。
そして犬を優しく抱く女性の姿もあり、まるで私たちもその食卓に招かれたような気持ちになります。
私はこの作品を見ながら、「なんて楽しそうな食卓なのだろう」と感じました。
きっと会話が絶えることなく、笑い声が響き、ゆっくりと流れる時間を皆で味わっていたのでしょう。
この作品は通常、アメリカ・ワシントンD.C.のフィリップス・コレクションに所蔵されています。
しかし、私がパリを訪れた際には、オルセー美術館の特別展で展示されており、幸運にも鑑賞することができました。
本来ならアメリカでしか見ることのできない名画にパリで出会えたことは、旅の中でも特に印象深い思い出となりました。
(セーヌ川右岸から)
ルノワールは、食事そのものだけではなく、人と人とが食卓を囲み、語らい、同じ時間を楽しむことの豊かさを描いています。
私たちも毎日の食卓で、料理のおいしさだけではなく、誰とどんな時間を過ごすのかを大切にしたいものです。
一枚の絵から、フランスの食文化が大切にしてきた「食卓の時間」の豊かさを改めて感じることができました。
美術館には、このほかにも果物やパン、ワイン、野菜など、食べ物が描かれた作品が数多くあります。
その時代の暮らしや季節、人々の豊かな食卓を想像できるのも、美術鑑賞の楽しみの一つだと感じました。
今回で、パリ滞在をもとにしたフランスの食文化コラムは、ひとつの区切りとしたいと思います。
現地で見て、食べて、感じたことを夢中でお伝えしてきましたが、これからは内容をより深くお届けするために、フランスに関するコラムは月2回の掲載といたします。
今後は市場や料理だけでなく、今回のように絵画に描かれた食べ物や果物、季節の行事、暮らしの中に息づく食文化など、さまざまな角度からフランスをご紹介していきます。
もちろん、これまでどおり旬の野菜や食育、健康につながる情報も引き続きお届けしてまいります。
これからも、「食」を通して皆さまと新しい発見を共有できれば嬉しく思います。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
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