
野菜,ブログ,レシピ
サクレ・クール寺院の先、モンスニ通りの長い石段をゆっくりと下っていくと、


小さなパティスリー教室が静かに迎えてくれました。


今回は、旅先で出会った、心ほどける素敵な体験についてお話しします。
教室で教わったのは、タルトタタンとマドレーヌ。
特に驚いたのは、フランス流のお菓子作りに対する考え方でした。


日本では「材料は1g単位まで正確に」と緊張してしまいがちですが、
フランスのおばあちゃんは違いました。
「このくらいで大丈夫」と、スプーンでざっとすくって加えるおおらかさ。
マドレーヌに加えるフレーバーも「好きなものを、好きなだけ入れてね」という自由さです。


「基本は大切。でも、あとは楽しみながら自分らしく作ればいいのよ」。
そんな言葉に、肩の力がふっと抜けるのを感じました。
教室には、家族連れや友人同士、一人で参加している方など、さまざまな国の参加者が集まっていました。
戸惑う私に「りんごは丸い方を下に向けて並べるのよ」と優しく教えてくれたドイツ人の女の子。
日本語学校の先生をしているというイギリスから来たご家族。
「高野山」という日本の地名が出てきて驚いたり、お菓子作りという共通の作業を通じて、
自然と言葉と笑顔が生まれていきました。

焼き上がったタルトタタンをみんなで囲む時間は格別でした。
甘酸っぱいりんごと香ばしい生地の組み合わせ。

持ち帰ったマドレーヌは、翌日食べてみてさらに驚きました。
焼きたての軽やかさとは違い、バターが生地全体になじみ、しっとりとした深い味わいに。
「時間を置いて食べると、さらにおいしくなる」。
これも本場ならではの素敵な発見でした。
今回の教室で学んだのは、レシピの作り方だけではありません。
「料理はきっちり作るだけでなく、楽しみながら、自分らしく作ればいい」。
そんなフランスらしい食文化の心にも触れることができました。
旅先での体験は、レシピ帳には書ききれない、私にとって大切な宝物になりました。
パリへ行かれる際は、ぜひ現地の小さな教室の扉を叩いてみてください。
きっと、お菓子以上の「温かい何か」に出会えるはずですよ。
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